作業スピードは「自分の時間」に直結してくる
制作現場はとにかく時間との戦い。
納品から逆算して印刷工程を確保して入稿日が決まるのですが、なかなか理想通りのスケジュールで進行しないのがお決まりパターン。
進行遅れの原因は度重なるデザイン修正、仕様変更によるものが大半を占めると思います。もちろん双方のフィードバックによるタイムロスとかもありますが、大きな遅れを引き起こす前に連絡を取れば済む話ですので「修正・変更」が一番でしょう。
修正・変更はこちらがどれだけ考えてもクライアントの気が変わってしまったらどうしようもない場合があります。そんな時に強気に出れない弱小デザイン会社はつらいところではありますが…。ただ、そういったクライアントの舵取りはディレクター、営業の役割。
じゃあデザイナーは圧迫される作業時間の中、締め切りと戦いながら制作し続けるしかないのか。
実際はそうです。
やるしかないんです。
会社に所属するデザイナーはとにかく時間に追われることが多い。
受注した段階ですでに納期が全くないものだってあるんですから、どんな状況でも期限までにデザインを校了させなければならないんです。
そこで作業スピードアップの心得。
制作スピードは仕事に慣れていないときの方が身につきます。
時間がなければつくるしかない!
1.ショートカットは使いまくれ
illustratorやphotoshopは自分でショートカットを作成することができます。もともと設定されていますが、会社によって、デザインによって使う機能も違うはず。全く使わない機能にショートカットが割り振られているのによく使う機能はメニューバーの奥深くに探しに行ったりしていませんか?
そんな時はカスタムしてしまえばいい、ちゃんとデフォルト設定も残しておけるので安心してショートカットを増やしまくればいい。
僕はなかなかアイデアがまとまらない、出てこないダメなデザイナーなので考える時間を確保するためにとにかく作業スピードをあげました。
まるでスポーツのような話ですが、一分一秒を短縮するためにショートカット、アクション、自動処理を使いまくりました。
最初の1、2年の間にとにかく覚えまくり使いまくり、今では上部のメニューバーはほとんど使わずショートカットとアクションだけでほとんどの制作作業が行えるようになりました。
ちなみに会社のキーボードのcommandとshiftには穴が開いています。
(古いプラスチックタイプのやつなので…)
2.パソコンのスペックに頼ったデータをつくらない
illustrator、photoshopはとにかくメモリを食います。
スペックの低いパソコンだとちょっとしたことで落ちたりして今までの作業がなかったことに…なんて恐ろしいことも起きます。
僕は少しでもパソコンに余力を残して作業をしたいので「このデータ重いな」と感じたらすぐに使わないアプリはすべて落とします。場合によってはメールも落とす。
あとはなんでもかんでもillustratorでつくろうとしない。データのサイズによってはphotoshopを併用することでかなり作業環境が改善します。
例えばドロップシャドウ。
illustratorのドロップシャドウはとにかく重い、ドロップシャドウがというか「ぼかし」という機能がとにかく重いんです。
幅が2000mmを超えてくるようなサイズにドロップシャドウをかけてしまったらそれだけですごい容量です。影の部分だけでもphotoshopにしてしまった方が断然軽くなります。
他にもドキュメントのラスタライズ設定で解像度を下げたりしてillustratorデータ自体を軽くするのも大事です。保存のスピードが断然速くなります。
上記二つをとことん突き詰めて考えていけば確実に作業スピードは上がります。
作業スピードをあげることで余った時間を考える時間に費やす。
アイデアが出やすくなる訓練も必要ですが、自分で時間を確保することが何より大事だと思います。